マンション管理組合が知っておくべき大規模修繕工事・資金

マンションでの暮らしの環境や資産価値を高めたり守っていくには、適切な時期に修繕工事や改修工事を行うことがとても大切です。

管理組合で長期修繕計画を定め工事を実施していくことになるのですが、専門的な知識や情報がないと、修繕積立金が足りなかったり、工事お見積書の金額が妥当なのかわからないといった問題に直面してしまうことがあります。

目先だけで考えるのではなく今の修繕積立金の額でよいのか資金のことは長期的によく考えておくべきとても重要な問題です。

工事の内容が専門的でよくわからない場合、管理組合内での話し合いや理解に時間がかかり、修繕工事や改修工事の適切なタイミングを逃してしまう可能性もあります。



管理組合とは何か


管理組合はマンションに住む人全員が快適に暮らすために欠かせない存在です。マンションに住んでいる人全員で構成されるいわばマンションの自治会のようなものです。

マンションは、一軒家と違って、建物や敷地の一部をそれぞれの人が所有しています。そのため、共用の部分をみんなで協力して管理していく必要があります。この管理を円滑に行うために、法律で管理組合の設置が義務づけられているのです。



主な役割


管理組合は、マンションを快適に暮らせる環境に保つために、様々な役割を担っています。


・共有部分の維持管理

廊下やエレベーター、外壁などの清掃、修理や点検


・修繕計画の作成

大規模な修繕が必要になった場合、計画を作成し、費用を積立てます。


・管理会社の選定

マンションの管理業務を専門の会社に委託する場合、その会社を選定します。


・規定の制約

マンションのルールを定めた管理契約を作成し、住民全員が守るべきことを明確にします。


・住民間のトラブルの調整

住民間のトラブルが発生した場合、話し合いを仲介したり、解決に向けて動いたりします。


・防災対策

火災報知器の点検や避難経路の確保など、防災に関する取り組みを行います。

防災訓練の実施や防災マニュアルの作成なども行います。


・セキュリティ対策

防犯カメラの設置、オートロックの導入など、セキュリティ対策を行います。

不審者の侵入防止や、住民の安全確保に努めます。


・会計処理

管理費や修繕積立金などの会計処理を行い、財務状況を把握します。

毎年の決算報告を行い、組合員に開示します。


なぜ管理組合が必要なの?



・マンションの価値を維持する

共用部分の適切な管理は、マンション全体の価値を維持することにつながります。


・安全 安心な暮らしを守る

共有部分の安全性を確保し、災害に備えることで、住民が安心して暮らせる環境をつくります。


・住民同士のコミュニケーションを促進する

管理組合の活動を通して、住民同士の交流が深まり、良好なコミュニティが形成されます。


管理組合の運営


管理組合は、総会、理事会、管理契約によって運営されます。



・総会

全ての組合員が出席できる会議で、重要な議案を決めます。年度ごとの予算や事業計画、修繕計画などを決定します。


・理事会

総会の決定に基づき、日常的な業務を行います。理事長、理事、監事などで構成され、定期的に会議を開催します。


・管理規約

管理組合の運営に関するルールを定めたもので、マンションの憲法のようなものです。全ての組合員が守らなければなりません。


管理組合の費用について


マンションの管理組合には、様々な費用がかかります。これらの費用は、マンションの規模や築年数、共有部分の広さ、設備の種類などによって異なってきます。



1. 管理費

管理費は、マンションの日常的な管理運営に必要となる費用です。


・管理会社の委託費 

マンションの管理業務を専門の会社に委託する場合、その会社に支払う費用が最も大きな割合を占めます。


・共用部分の光熱水費

廊下、エレベーター、共用部分の照明など、共有部分で使用する電気代、水道代、ガス代などが含まれます。


・清掃費

共用部分の清掃を行うための費用です


・保守点検費

エレベーター、消防設備などの定期的な点検や、設備の費用です。


・保険料

火災保険や地震保険など、マンションを保障するための保険料です。


・事務用品費

管理組合の運営に必要な事務用品や通信費などです。



2. 修繕積立金

修繕積立金は、建物の老朽化に伴う大規模修繕に備えて積み立てられる費用です。外壁の塗装、防水工事、給排水管の交換などが、大規模主な対象となります。



3. その他の費用


・臨時費用 

突発的な支出が必要になった場合に充当される費用です。自然災害による損害の復旧費用などが挙げられます。


・予備費  

予測できない支出に備えて積み立てられる費用です。



管理費が異なる要因



・マンションの規模 

部屋数、専有面積が大きくなると、管理費も高額になります。


・築年数 

築年数が古いマンションは、修繕が必要になる箇所が多いため、管理費が高くなる傾向があります。


・設備の種類

設備が充実しているマンションは、保守点検費用が高くなるため、管理費も高額になります。


・管理会社のサービス内容

管理会社のサービス内容によって管理費は大きく変動します。



管理組合は、組合員から集めた管理費を適切に管理し、その使途を透明にする必要があります。組合員は、管理費の使途について理解あい、疑問点があれば積極的に質問することが大切です。



マンション管理組合で起こるトラブルについて



様々なトラブルが発生することがあります。これらのトラブルは住民間の意見の対立、管理会社の対応、あるいは管理契約の解釈の違いなど、様々な要因が絡みあって発生します。



よくあるトラブル


・生活音トラブル

上階からの足音や生活音が気になる、深夜の騒音


・ペットに関するトラブル

飼育禁止のペットを飼っている、ペットの糞尿問題など


・共用部分の利用に関するトラブル

駐輪場や駐車場の利用、共用スペースの占有など


・管理費、修繕積立金の滞納

管理費や修繕積立金を滞納する人がいる


・管理会社とのトラブル

管理会社のサービスに不満がある、管理費が高すぎるなど


・理事会運営に関するトラブル

理事会が機能していない、理事間の意見対立など


・大規模修繕工事に関するトラブル

工事内容や費用について意見が合わない、工事中のトラブルなど


トラブルの原因



・コミュニケーション不足

住民間のコミュニケーション不足が、トラブルの原因となるケースが多い


・管理契約の不満

管理契約が不十分であたり、解釈が難しい場合、トラブルに発展する可能性があります。


・理事会のリーダーシップ不足

理事会のリーダーシップが不足していると、トラブルを円滑に解決できないことがあります。


・管理会社の対応不足

管理会社の対応が遅延したり、不適切であったりする場合、トラブルが長期化する可能性があります。



マンション管理組合では、様々なトラブルが発生する可能性があります。トラブルを未然に防ぐためには、日頃から管理契約を遵守することが大切です。トラブルが発生した場合には、冷静に対処し、早急に解決策をみつけることが重要です。


基本的な大規模修繕工事の進め方



大規模修繕工事は区分所有者で居住者の組合員が共同して費用を負担しています。管理組合では大規模修繕工事を実施するための専門的な知識が不足していることから管理会社や施工会社に任せよくわからないまま工事を進めてしまうことがあります。



・工事の主体は管理組合


大規模修繕工事は専門的な内容が多く工事期間も長くなります。マンションの将来を左右するイベントであるので、施工会社やコンサルタント、専門家にサポートをしてもらいながら、最終意思決定は管理組合が行いましょう。


・専門家に協力してもらう


長期的な工事になることが多いです。そのため役員の交代等で円滑に進まなくなる場合もああります。また、トラブルが発生すると、役員同士の責任の押し付け合いになってしまうこともあるようです。信頼できる専門家に協力を依頼し、管理組合内の負担を減らしましょう。


・次回以降の工事も考慮


大規模修繕工事は一度ではありません。役員交代時、次回以降の修繕工事に備えて工事記録や竣工図書など蓄積したノウハウを引き継ぎしましょう。



大規模修繕工事の主な周期



建物の大きさにもよりますが国土交通省の長期修繕計画ガイドラインによると、約7割のマンションが12年~15年を目安に行われます。

周期はマンションの修繕部位や使用材料によって異なります。

工事内容も劣化具合や修繕具合いよって変わります。修繕積立金の総額を勘案しながら検討します。


基本的な資金計画の考え方



大規模修繕工事には多額の費用を要します。長期修繕計画に基づき区分所有者が積み立ててきた修繕積立金を活用することが基本です。

計画が適切でなく費用が想定よりも高くなり積立金では賄えない事もあります。

修繕積立金を値上げする、一時金を徴収する、金融機関から借り入れる、駐車場代の増額も考えられます。大規模修繕工事の時期を延期せざるを得ないかもしれません。



マンションの大規模修繕における補助金・助成金について



国や地方自治体では、マンションの大規模修繕工事に対して、費用の一部を補助する制度を設けている場合があります。これらの制度を活用することで、経済的な負担を軽減し、スムーズに修繕工事を進めることができます。



補助金・助成金の目的



・老朽化した建物の再生

建物の耐震性や耐久性を向上させ、安全な居住環境を確保すること。


・共用部分の機能向上

エレベーターの設置やバリアフリー化など、共用部分の機能を向上させること。


・省エネ化の推進

断熱材の設置や高効率な設備への交換など、省エネ化を促進すること。


・環境負荷の低減

環境に配慮した建物の改修を促進すること。



補助金・助成金の主な種類



・劣化診断補助金

建物の劣化状況を診断するための費用の一部を補助する制度です。


・耐震補強工事補助金

建物の耐震性を向上させるための工事に対して補助金が支給される場合があります。


・共用部のバリアフリー化工事補助金

エレベーターの設置やスロープの設置など、バリアフリー化を進めるための工事に対して補助金が支給される場合があります。


・省エネ対策等補助金

断熱材の設置や高効率な設備への交換など、省エネ性能を向上させる工事に対して補助金が支給される場合があります。


・アスベスト除去工事補助金

建物の老朽化に伴い、アスベストが発見された場合、その除去費用に対して補助金が支給される場合があります。



補助金・助成金を受けるための条件



補助金・助成金を受けるためには、それぞれの制度によって様々な条件が設定されています。一般的に、以下の条件を満たす必要があります。



・対象となる建物

住宅、共同住宅、非住宅など、対象となる建物が限定されている場合があります。


・工事内容

補助金・助成金の対象となる工事内容が限定されている場合があります。


・申請期限

申請期限が設定されているため、期限内に申請手続きを行う必要があります。



補助金・助成金の探し方



・お住まいの自治体のホームページ

まずは、お住まいの自治体のホームページで「補助金」「助成金」「大規模修繕」などのキーワードで検索してみましょう。


・国土交通省のウェブサイト

国土交通省のウェブサイトでも、様々な補助金・助成金情報が掲載されています。


・マンション管理会社への相談

マンションの管理会社に相談することで、具体的な情報を教えてもらえる場合があります。


・専門家への相談

建築士やマンション管理士などの専門家に相談することで、最適な補助金・助成金を見つけることができます。



補助金・助成金を受ける際の注意点



補助金・助成金の手続きは、一般的に複雑で時間がかかるため、余裕を持って準備を進める必要があります。申請に必要な書類は、自治体によって異なります。事前に必要な書類を把握し、漏れなく準備しましょう。専門家に相談することで、手続きをスムーズに進めることができます。

ご自身のマンションの状況に合わせて、最適な補助金・助成金を探し、活用することで、よりスムーズな大規模修繕を進めることができます。




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