バルコニーの大規模修繕工事とは


バルコニー・ベランダ 修繕工事は何故必要?


バルコニーやベランダは屋根の次に過酷な環境にあります。特に防水性能が重要です。劣化した部分から雨水が侵入し、建物内部の躯体が腐食してしまったり、雨漏れが発生する恐れがあります。建物の資産価値を守る為にも約10年に一度、計画を立て修繕工事を行いましょう。


工事が必要なサインとは?


床面の症状


・ひび割れ 

防水層の劣化が原因で、雨水が侵入しやすくなります。


・塗膜の浮きや膨らみ

基盤の剥がれや、凍結による膨張などが考えられ水溜まりが出来ます。


・捲れや剥がれ

塗膜の劣化や、ひび割れから水が入り込み、剥がれてしまうことがあります。


・表面の色褪せ

紫外線による劣化で、防水機能の低下につながります。


・苔やカビの発生

水が溜まりやすく、湿気がこもりやすい環境で発生します。


壁面の症状


・ひび割れ

コンクリートの収縮や、地震などによる振動が原因で発生します。


・塗装の剥がれ

紫外線や雨風による劣化が原因です。


・苔やカビの発生

床面と同様、湿気がこもりやすい環境で発生します。


手摺の症状


・錆 

鉄製の部品は雨水によって錆が発生し、強度が低下します。


・腐食

木製の部品は、雨水や湿気によって腐食し、破損する可能性があります。


その他


・雨漏り

上階のベランダからの漏水や、壁面のひび割れなどによって発生します。


・排水工のつまり

ゴミなどが詰まり、水が溜まりやすくなります。


・異音

風による振動や、部品の緩みなどが原因で発生します。


バルコニーやベランダは共有部分?専有部分?


結論から言うと、マンションのバルコニーやベランダは、共用部分と専有部分の2つの側面を持っています。バルコニーが大規模修繕の工事対象となった場合は基本的には工事を拒否することはできません。



1. 共用部分としての側面



• 消防法に基づく避難経路

万が一火災が発生した際に、住人が避難するための通路として確保されています。そのため、荷物を置いたり、洗濯物を干したりするなど、避難の妨げになるような行為は禁止されています。


• 建物の構造の一部

バルコニーやベランダは、建物の外壁や手すりなどを支える重要な役割を果たしています。そのため、勝手に改造したり、取り壊したりすることはできません。


• 管理組合の管理対象

修繕工事や清掃などの管理は、管理組合が行います。住民は、管理組合の指示に従う必要があります。



2. 専有部分としての側面



• 専用使用権

各住戸に専用使用権が認められており、日常的な使用は専有的にすることができます。具体的には、洗濯物を干したり、花を育てたり、バーベキューを楽しんだりすることができます。


• 専有部分とみなされる場合

一部のマンションでは、バルコニーやベランダに屋根や壁が設置されており、完全に独立した空間となっている場合もあります。このような場合は、専有部分とみなされる場合があります。



3. 注意点



• 専用使用権の範囲

専用使用権は、あくまでも日常的な使用に限定されます。例えば、長時間駐車したり、トランポリンを設置したりすることはできません。


• 管理規約

管理組合によっては、バルコニーやベランダの使用に関する独自のルールを設けている場合があります。必ず管理規約を確認しておきましょう。


• 近隣への配慮

バルコニーやベランダを使用する際は、音や臭いが周囲に迷惑にならないよう、注意が必要です。



工事の内容


マンションの大規模修繕工事では、建物の外壁や屋上だけでなく、バルコニーやベランダも重要な修繕対象となります。


1. 主な工事内容

バルコニー・ベランダで行われる主な工事内容は、以下の通りです。


• 防水工事

経年劣化により防水機能が低下したバルコニー・ベランダは、雨漏りの原因となる可能性があります。そのため、防水工事は必須です。一般的に、ウレタン塗膜防水、シート防水、FRP防水などの工法が用いられます。


• 塗装工事

外壁や手すりなどの塗装が剥がれたり、色あせたりしている場合は、塗装工事を行います。塗装工事には、油性塗料、水性塗料、シリコン塗料など様々な塗料がありますが、それぞれ耐候性や色合いなどが異なるため、希望に合った塗料を選ぶことが重要です。


• 鉄部補修工事

手すりやサッシなどの鉄部が錆びている場合は、研磨して塗装するか、交換する必要があります。鉄部補修工事は、安全性を確保するために重要です。


• 排水管清掃・補修工事

排水管が詰まると、水が溜まり、悪臭や衛生問題の原因となる可能性があります。そのため、定期的に排水管清掃・補修工事を行う必要があります。


• 床面補修工事

タイルが浮いたり、ひび割れたりしている場合は、張り替えまたは補修を行います。床面補修工事は、転倒事故を防ぐために重要です。


2. その他

上記以外にも、バルコニー・ベランダの状態によっては、以下のような工事が行われる場合があります。


• 目隠し設置工事

プライバシー保護や景観改善のために、目隠しを設置します。


• 照明設置工事

夜間の安全性を確保するために、照明を設置します。


• 手すり改修工事

老朽化した手すりを、安全性が高いものに改修します。


特に重要な防水工事の内容とは?


防水加工で使用する塗料の多くは、紫外線・赤外線に影響を受けやすい塗料になります。紫外線等から塗膜を守るトップコート仕上げが必要となり、トップコート仕上げはとても大切な工程になります。


3つの防水工事の特徴について


FRP防水 

耐用年数10~12年

新築時のベランダに多く利用される

メリット


・水密性

FRPは、液体の侵入を防ぐ密閉性が高い素材です。他の防水工法と比較して、より高い水密性を確保することができ、雨漏りの原因となる隙間やひび割れを効果的に防ぎ、建物を水からしっかりと守ってくれます。


・頑丈

耐荷重性、耐摩擦性に優れています。人が頻繁に歩くベランダや屋上などにも安心して使用することができ、柔軟性があるため、建物の形状に合わせた施工が可能です。複雑な形状の部位でも、きめ細かく密着させることができるので高い防水効果が期待できます。


・軽量

FRP防水層は、1平米あたり4kg前後と、他の防水層に比べて非常に軽量なので、建物の構造体への負担を軽減できます。古い建物や耐震性が気になる建物にも安心して施工できます。


デメリット


・施工場所を選ぶ

伸縮性がほとんどなく非常に硬い素材です。この特性は、建物の耐久性向上に役立つ一方で、木造建築のように、温度や湿度の変化によって収縮や膨張を繰り返す素材の場合、FRPの硬さが仇となり、ひび割れが発生するリスクが高まってしまいます。


ウレタン防水 

耐用年数7~10年

メンテナンスで多く利用される


メリット


・繋ぎ目がない

液状のウレタン樹脂を塗布していくため、シート状の防水材のように継ぎ目ができないので水が入り込む隙間が少なく、高い防水性能が期待できます。雨漏りの原因となる隙間を徹底的に防ぎ、建物を長持ちさせることにつながります。


・メンテナンスが簡単

ウレタン防水はメンテナンスも非常に簡単です。既存の防水層を剥がす必要がないため、施工の手間や時間も大幅に短縮できます。重ね塗りで補修ができるため、一度施工すれば長期間にわたって建物を保護することができます。


デメリット


・施工に時間がかかる

ウレタン樹脂を塗布し、しっかりと乾燥させることで防水効果が発揮されます。乾燥時間が非常に長く、工事期間が長引いてしまいます。


・差が生まれやすい

塗布する際の厚みや均一性、乾燥条件など、施工者の技術によって仕上がりが大きく左右される素材です。


シート防水 

耐用年数10~15年

主に屋上などの広い場所で施工される



メリット


・下地を選ばず施工が可能

あらかじめ工場で製造されたシートを現場で貼り合わせるため、下地の状況に左右されにくいという特徴があります。コンクリートやモルタルなど、様々な素材の下地に施工することが可能です。


・品質に差が生じにくい

工場で厳密な品質管理のもと生産されたシートを使用するため、製品間の品質にバラつきが少なく、職人さんの技量に左右されにくいため、安定した品質の防水層を形成することができます。


デメリット


・1箇所の亀裂や穴の影響が大きい

シート状の素材を貼り合わせることで防水層を形成するので、一度シートに亀裂や穴が生じると、そこから水が浸入しやすくなります。


・複雑な形状の箇所には不向き

平らな面に施工するのが得意な工法です。屋根や複雑な形状をしている箇所への施工は難しい場合があります。曲面や凹凸が多い箇所では、シートをうまく貼り合わせることができず、隙間が生じてしまう可能性があります。


工事中の荷物は?


大規模修繕工事中のバルコニー・ベランダの荷物

大規模修繕工事中のバルコニー・ベランダは、作業員の出入りや資材の置き場として使用されるため、荷物を放置しておくことはできません。

荷物の一時的な保管場所としては、以下の選択肢があります。


1. 室内


最も一般的な方法で、家具等を移動させる必要がある場合もあり、事前に準備しておくことが重要です。

室内が狭くなる場合は、トランクルームやレンタル倉庫を借りるのも有効です。


2. 共用廊下


事前に管理組合に許可を得る必要があります。

他の住民の通行の妨げにならないように、整理整頓して置くことが重要です。盗難のリスクがあるため、貴重品は持ち込んだ方が良いでしょう。


3. 仮設置き場


管理組合によっては、仮設の荷物置き場を設置している場合があります。利用には、事前に申し込みが必要となる場合があります。

無料で利用できる場合と、有料で利用できる場合があるので、事前に確認が必要です。


4. 業者預かり


一部の業者は、荷物の預かりサービスを提供しています。

有料サービスとなりますが、手間がかからず安心です。

貴重品や壊れやすいものは、業者預かりを検討すると良いでしょう。


荷物の整理・搬入・搬出については、以下の点に注意する必要があります。


• 修繕工事開始前に荷物を整理する

不要なものは処分し、必要なものだけを残しておきましょう。


• 重い荷物は事前に搬入しておく

修繕工事中は、バルコニー・ベランダへの搬入・搬出が制限される場合があります。


• 壊れやすいものは厳重に梱包する

修繕工事中に破損する可能性があります。


• 貴重品は肌身離さず持ち歩く

盗難のリスクがあるため、注意が必要です。


その他、以下の点にも留意しておきましょう。


• 修繕工事のスケジュールを確認する

荷物の搬入・搬出のタイミングを計画する必要があります。• 近隣住民に迷惑をかけない:騒音や振動に注意しましょう。


• 管理組合の指示に従う

荷物の置き場所や搬入・搬出の方法などについて、指示がある場合があります。


大規模修繕工事中の荷物の整理・搬入・搬出は、大変な作業ですが、事前にしっかりと準備しておくことで、スムーズに行うことができます。


生活への影響は?


マンションの大規模修繕工事において、バルコニーやベランダの工事が行われる場合、生活への影響は避けられません。

具体的な影響としては、以下の点が挙げられます。


1. バルコニー・ベランダの使用制限

• 工事期間中は、バルコニー・ベランダに立ち入ることができなくなるため、洗濯物干しや換気、ペットの散歩などができなくなります。

• 荷物の出し入れも制限されるため、事前に室内へ搬入しておく必要があります。

• 一時的な仮設バルコニーが設置される場合もありますが、使用できるスペースは限られます。



2. 騒音・振動

• バルコニー・ベランダでの作業に伴い、騒音や振動が発生します。

• 特に、解体工事や塗装工事は、騒音が大きくなります。

• 防音対策をしていても、完全に遮断することはできません。


3. 粉塵

• 解体工事や塗装工事などで発生する粉塵が、室内に侵入する可能性があります。

• 洗濯物や家具が汚れたり、健康被害が発生したりするリスクがあります。

• 養生シートなどで対策されますが、完全に防ぐことはできません。


4. 景観の変化

• 足場が設置されるため、窓からの景観が遮られます。

• 日当たりが悪くなったり、開放感が失われたりすることがあります。


5. その他

• 業者が出入りするため、プライバシーが確保できなくなる場合があります。

• ゴミや資材が増えるため、景観が悪くなります。


これらの影響を軽減するために、以下の対策が有効です


• 工事スケジュールを確認する

工事期間や工事が行われる曜日・時間帯を把握しておきましょう。


• 養生をする

窓や家具に養生シートを貼ることで、粉塵や汚れから守ることができます。


• 耳栓やマスクを着用する

騒音や粉塵対策として、耳栓やマスクを着用しましょう。


• カーテンを閉める

景観の変化やプライバシー保護のために、カーテンを閉めましょう。


• 外出する

どうしても自宅にいるのが辛い場合は、外出を検討しましょう。


大規模修繕工事は、住生活に大きな影響を与える可能性があります。

事前にしっかりと準備し、対策を講じることで、影響を最小限に抑えましょう。


大規模修繕工事では網戸は取り外す必要がありますか

理由としては、以下の点が挙げられます。


• 工事に支障が出る

シーリング工事や塗装工事など、バルコニー・ベランダで行われる多くの工事において、網戸があると作業ができません。


• 網戸が破損する可能性がある

足場設置や資材搬入などにより、網戸が破損する可能性があります。


• 作業員が安全に作業するために

網戸が風で揺れたり、外れたりして、作業員が怪我をするリスクを防ぐためです。


網戸の取り外し時期は、工事内容によって異なりますが、一般的には工事開始数日前です。

取り外し方法は、網戸の種類によって異なりますが、基本的には工具を使わずに手で取り外せるようになっています。

取り外した網戸は、室内に保管しておく必要があります。

網戸の取り付け時期は、工事完了後です。

取り付け方法は、取り外しの時と同様に、工具を使わずに手で取り付けられるようになっています。

ただし、以下の場合は、網戸を取り外さないこともあります。


• 網戸が屋内側に設置されている場合

屋内側であれば、工事に支障が出ないため、取り外す必要はありません。


• 窓の形状やサイズによっては、取り外しが難しい場合

そのような場合は、管理組合と相談の上、取り外さない対応になることもあります。


網戸の取り外しについて、不安な点があれば、

• 管理組合

• 修繕工事の担当業者

に問い合わせてみましょう。


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京都府城陽市を拠点に土木・解体・建築工事を手掛けています。    40年以上の業歴があり、幅広い施工・物件に対応できます。公共工事を継続的に承っているのも弊社の強みです。 


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